「J-LISが富士通に損害賠償を請求する」との「赤旗」記事に載せられた私のコメント
2016年8月30日付けの「赤旗」に、マイナンバーカードの交付遅れについて地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が富士通に損害賠償を請求するとの記事が掲載されました。
記事には、私のコメントも載っていますので、その部分について以下の通り転載します。
運用中止し再検討を
機構が賠償を求めるのは当然ですが、最終的な管理責任は国であり、総務省です。しかし、この間の総務省は他人事のような対応に終始しています。
機構は、国、自治体から多額の税金が投入され、しかも国民の膨大な個人情報を扱っています。そんな組織でありながら、情報公開法の対象になっておらず、どんな事業にいくら使い、どこに発注しているのかなど、経営の中身を国民が知る手段がほとんどありません。この不透明性も問題です。
安倍政権は20年の東京オリンピックに間に合わせようと、スケジュールありきで制度を推し進めています。
個人番号カードでいえば2018年度までに8700万枚を普及させるというものです。しかし、今回のトラブルで明らかなように、実現できるレベルにないのが現状です。スケジュールに合わせるために、税金の追加投入や費用の増大などあってはなりません。
政府は、マイナンバーで〝絵に描いたモチ〟を「あれもこれも」と出しています。しかし費用的にも技術的にも可能なのか、実証されないまま、多額の支出が行われてきました。そして今回のような結果となりました。
こういう事態がなぜ起きたのか、政府による客観的な検証が不可欠です。いったん運用を中止し、この制度が本当に必要なのか再検討すべきです。
コメント後の付け足し
賠償請求をするのですから、J-LISは富士通への発注を、少なくとも賠償が行われるまで、マイナンバー制度に関わるものも含めすべてやめるべきでしょうね。
もちろん被害を被っているのは、J-LISだけではありません。全国の市区町村もです。関係者のみなさんは、市町村とJ-LISとの契約がどうなっているかを調べ、賠償請求できるか検討することが必要でしょうね。それから富士通に問題ありと判断したなら出入り差し止めも。
もっとも富士通抜きでは、マイナンバー制度の構築も維持も困難でしょうし、全国の自治体も既存の業務含め支障が出るかも知れません。しかし、ここは思い切ってお灸をすえないと・・・・・・無理かなぁ
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