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2016年8月29日 (月)

「東京五輪の観戦・移動・宿泊をカード1枚で」のカードは、マイナンバーカード? それとも・・・

 2016年8月26日付けの「朝日新聞」は、

 総務省は2020年の東京五輪・パラリンピックを訪れる外国人向けに、ICカード1枚で交通機関の利用や競技場への入場、ホテルへのチェックイン、買い物などがすべてできるようにする。日本の先端技術を体感できる『おもてなし』の目玉にする考えで、来年度予算の概算要求に事業費10億円を盛り込む。

と報じました。へぇ~そんなことを考えているのかとびっくりされたかとも多いかと思いますが、このICカードには、どのようなカードが想定されているのでしょうか。ちょっと調べてみました。

■ロードマップ(案)では、訪日外国人にも、マイナンバーカードを使わせる予定だが

 2015年5月20日に開催された政府のIT総合戦略本部のマイナンバー等分科会では、「マイナンバー制度利活用推進ロードマップ(案)」(下図)が議論されています。ロードマップ(案)は、福田峰之・内閣府大臣補佐官(当時)が提案したものです。ロードマップ自体は案のままでしたが、その内容の多くは翌月の30日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針2015)」などに盛り込まれました。

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 ロードマップ(案)の2019年のところには「住民票を有しない在留邦人や訪日外国人に在外公館において個人番号カード交付」(下図)とあります。個人番号カードとはマイナンバーカードのことですね。そこから矢印が伸びたところ―2020年ですが―には「バーチャルレジデントサービスの活用」とあり、さらに「オリンピック会場入館規制(7・8月)」と書かれています。この「入館規制」には「興行チケットや携帯電話の本人確認販売・・・」(2017年)や「個人番号カードや・・・」(2020年)からも矢印が伸びてきています。こうしたことから、ロードマップ(案)は、記事でいうところの「訪日外国人がICカードで競技場への入場ができるようにする」ことをうたっているものと理解して良いでしょう。

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 このように先の記事の話は、ロードマップ(案)と重なるところがあり、その具体化として見ることができます。ただし、「訪日外国人に個人番号カード交付」や「オリンピック会場入館規制」は「骨太の方針2015」などには明記されていません。あくまでもロードマップ(案)での話です。

 さらに記事を読んでみます。そこには

 利用者は事前にパソコンなどで情報を登録して個人ごとの『おもてなしID番号』を受け取り、チケットやホテルを予約するときにIDを入力する。日本に入国したら『スイカ』などの電子マネーカードを買い、空港などに置かれる端末でIDをカードに記憶させ、希望の金額をカードにチャージする。

と具体的な話が書かれています。
 ロードマップ(案)ではマイナンバーカードでしたが、記事では「スイカ」などの電子マネーカードとなっているのです。どういうことでしょうか。

■観光ビジョン実現プログラム2016は、交通系ICカードやスマートフォン等を活用と

 政府は、2016年5月13日に開いた観光立国推進閣僚会議(主宰:内閣総理大臣)の第6回会合において、「観光ビジョン実現プログラム2016(観光ビジョンの実現に向けたアクション・プログラム2016)」(PDF)を決定しています。
 そこにはこうあります。

・ 2020年までに、「IoTおもてなしクラウド事業」において、交通系ICカードやスマートフォン等を活用し、外国人旅行者への言語等の個人の属性に応じた観光・交通情報、災害情報等の選択的配信についての実証実験を経て、社会実装化し、利便性のあるICT環境を構築

・ 交通系ICカードやスマートフォン、デジタルサイネージ等と共通クラウド基盤を連携・活用し、外国人旅行者に対して、災害時等の緊急時の一斉情報配信や言語等の個人の属性に応じた情報提供、支払手続の簡略化等についての実証実験(IoTおもてなしクラウド事業)を行い、小売、交通、宿泊等における利便性向上等に資する基盤を構築し、2020年までに社会実装を行う。【改善・強化】

 政府の方針では、マイナンバーカードではなく、交通系ICカードやスマートフォン等を活用するようです。

■手間が煩雑な割には、たいしたことのないサービス

 記事は、「観光ビジョン実現プログラム2016」についてのものだったのですが、その内容はどのようなものでしょうか。

 利用者は、(1)事前にパソコンなどで情報を登録して個人ごとの「おもてなしID番号」を受け取る (2)チケットやホテルを予約するときにIDを入力する (3)日本に入国したらスイカなどの電子マネーカードを買い、空港などに置かれる端末でIDをカードに記憶させ、希望の金額をカードにチャージするとしています。かなり煩雑ですね。訪日した方たちは果たしてスムーズに行えるのでしょうか。
 そもそも「希望の金額をカードにチャージする」だけなら駅にある券売機で充分ですし、あらかじめチャージしたカードを空港で販売(出来れば外国語が話せる者が対面で)すればその方が、訪日客には便利でしょう。IDをカードに記憶させる機械―何台ぐらい設置するのかわかりませんが―を空港に設置する経費がもったいないような気がします。

 一方、提供されるのはサービスは、(1)購入した電子マネーカード1枚で、交通機関の利用や競技場への入場、ホテルへのチェックイン、買い物ができる (2)駅の改札や、競技場やホテルに置く読み取り端末にカードをかざすと、母国語で競技場への行き方や災害情報などが表示される(あらかじめ登録したスマホにも同じ情報が届く)というものです。
 交通系ICカードには無記名式のものもありますから、あえてIDを登録する必然性がわかりません。残金が不足すれば、最寄りの精算機や券売機でチャージすれば事足ります。また、ホテルへのチェックインはどうでしょう。カードを示せば、例えばパスポートの提示が省かれるのでしょうか(省くためには「おもてなしID番号」とパスポートとの紐付けが必要ですが、どこでどうやって行うのかの問題が生じます)。どこが便利になるのかわかりませんし、買い物なら慣れているクレジットカードをそのまま使うのではないでしょうか。
 災害情報の表示については有効かも知れません。しかし、競技場への行き方なら便利なGoogleマップ―おそらくこちらも使い慣れているであろう―があります。余談ですが、私自身、海外に出かけた際には、Googleマップのおかげで、ほとんど迷うことなく行きたいところに行くことができています。

■10億円の予算は「IoTおもてなしクラウド事業」に?

 とにかく、手間のかかる割にはそれほどたいしたサービスだとは思えませんが、果たしてどれだけの訪日外国人が使うのでしょう。

 ところで、記事にある来年度予算に向け概算要求した事業費10億円は「観光ビジョン実現プログラム2016」にある実証実験(IoTおもてなしクラウド事業)に使うものでしょうか。それともシステムの本格構築でしょうか。わからないので、総務省のサイトで「IoTおもてなしクラウド事業」について検索してみました。

 すると「2020年に向けた社会全体のICT化推進に関する懇談会」の第5回(2016年6月23日)の配付資料 「アクションプランの進捗状況」(PDF)が見つかりました。その4頁には、2016年度予算として既に6億5千万円が計上されていることが書かれています(下図)。大きな額ですね。

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 2016年度の『情報通信白書』の第1部第1章の「第3節 経済成長へのICTの貢献~定量的・総合的な検証~」(PDF)の59頁にも「IoTおもてなしクラウド事業」についての記述があるのがわかりました。

 平成28年度予算「IoTおもてなしクラウド事業」では、共通クラウド基盤の構築を行い、そこに個人の属性情報を登録し、各サービスIDとひもづけ、交通系ICカードやスマートフォンをトリガーとして、各種サービス事業者とID連携することにより、支払手続きの簡略化、美術館(イベント会場)のチケットレスサービス、レストランでのアレルギー情報、ホテルのコンシェルジュとタクシーの情報連携などの実現に向けた実証事業を行うこととしている。また、政府全体での観光立国推進に向けて、本環境の整備により、訪日外国人が、入国時から滞在・宿泊、買い物、観光、出国までストレスなく快適に過ごすことが可能となり、インバウンド拡大による経済活性化に寄与することも期待される。

 以上の資料から2016年度の予算6億5千万円は実証事業のためのものだとわかりました。ということは来年度予算の概算要求として上げられている10億円はシステム構築のためなのでしょう。
 果たして本当にこれだけで済むのでしょうか。2020年に向けて、膨れあがることはないのでしょうか。また、そもそも16億5千万円もの費用をかけてまで構築する必要があるものなのでしょうか。
 オリンピックのためと言えば何でもOKの風が、政府の中に吹いているような気がしてなりません。

■おまけ

 この記事について、Twitterでは「訪日外国人だけでなく、日本人も使えるようにして欲しい」との声が―ごく少数ですが―聞こえてきます。
 こうした要望に応えて、日本人もOKとするなら「おもてなしID番号」の代わりに何が使われることになるでしょう。マイナンバーの入力をとなるかも知れません。もしそうなれば、マイナンバーと行動履歴が紐付けられることになるでしょう。

 それから蛇足ですが、マイナンバーカードと交通系ICカードは、ICカードの仕様が違う―前者はType-B、後者はFeliCa―ために、そもそも互換性がありません。

■もう一つ追加

 2016年8月31日付けの日経新聞に「グーグル決済、秋にも上陸 スマホ支払い」とする下記の記事(一部引用)が掲載されました。

 米グーグルは三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と組み、今秋にも日本でスマートフォン(スマホ)を使った電子決済サービス「アンドロイドペイ」を始める。日本はIC交通乗車券「スイカ」や「楽天Edy(エディ)」などが普及するが、利用は国内に限られる。「世界仕様」のサービス上陸で、消費者は海外でも自分のスマホで買い物ができるようになる。

・・・

 スマホ決済を巡っては米アップルも「アップルペイ」と呼ぶ独自サービスを日本で始める準備を進めているもようだ。スマホの基本ソフト(OS)を握る世界2強が参入することで、国内勢との顧客の囲い込み競争は激しくなりそうだ。 

 政府の「観光ビジョン実現プログラム2016」は、スイカなどの交通系ICカードを利用するとしているわけですが、「世界仕様」のグーグルや、アップルに太刀打ちできるのでしょうか。訪日外国人に使ってもらえず、税金の無駄遣いに終わりそうです。

 というもののそもそも、記事によれば「グーグルはJR東日本やNTTドコモ、楽天、ジェーシービー(JCB)など他の電子マネー大手と、読み取り機などシステムへの相乗りを求めて協議を進めている」とありますから、政府だけが明後日の方向に向いているような気がします。

 

2016年8月23日 (火)

マイナンバーカードに旧姓併記  誰にとっての「朗報」か?

 「マイナンバーカードに旧姓併記…住民票にもOK」。これは読売新聞、2016年8月21日付けの記事の見出しです。その内容は、

 結婚後も女性が通称として旧姓を使い続けやすくなるよう、政府は住民票やマイナンバーカードに旧姓を記載できるようにする。
 希望者は住民票やカードの氏名欄に、旧姓を併記できるようになる見込みだ。
 8月2日に閣議決定した経済対策に盛り込んだ。総務省は2017年度予算の概算要求に、住民票の記載事項を記録しているシステムや、マイナンバーカードを発行する機器の改修費用を盛り込む方針だ。
 <以下、略>

 夫婦別姓を求める人などにとって、一見、「朗報」のように読めますが、少し捻くれた解釈をしてみました。

■旧姓を併記するためのシステム改修はIT公共事業?

 マイナンバーカードに旧姓を併記するためには、マイナンバーカードを発行し、マイナンバー制度のシステムを管理をしているJ-LIS(地方公共団体情報システム機構)のシステムの改修が必要になります。

 もちろんそれだけで済みません。旧姓を併記させるには、もとになる住民票に旧姓を登録する必要があります。先の新聞記事には、住民票にも旧姓を記載できるようにするとありますが、実際は住民票に旧姓を載せるので、マイナンバーカードにも併記できるのです。

 さて、住民基本台帳法の第七条には、住民票の記載事項が次のように列記されています。

(住民票の記載事項)
第七条  住民票には、次に掲げる事項について記載(前条第三項の規定により磁気ディスクをもつて調製する住民票にあつては、記録。以下同じ。)をする。
一  氏名
二  出生の年月日
三  男女の別
四  世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主との続柄
五  戸籍の表示。ただし、本籍のない者及び本籍の明らかでない者については、その旨
六  住民となつた年月日
七  住所及び一の市町村の区域内において新たに住所を変更した者については、その住所を定めた年月日
八  新たに市町村の区域内に住所を定めた者については、その住所を定めた旨の届出の年月日(職権で住民票の記載をした者については、その年月日)及び従前の住所
八の二  個人番号(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 (平成二十五年法律第二十七号。以下「番号利用法」という。)第二条第五項 に規定する個人番号をいう。以下同じ。)
九  選挙人名簿に登録された者については、その旨
十  国民健康保険の被保険者(国民健康保険法 (昭和三十三年法律第百九十二号)第五条 及び第六条 の規定による国民健康保険の被保険者をいう。第二十八条及び第三十一条第三項において同じ。)である者については、その資格に関する事項で政令で定めるもの
十の二  後期高齢者医療の被保険者(高齢者の医療の確保に関する法律 (昭和五十七年法律第八十号)第五十条 及び第五十一条 の規定による後期高齢者医療の被保険者をいう。第二十八条の二及び第三十一条第三項において同じ。)である者については、その資格に関する事項で政令で定めるもの
十の三  介護保険の被保険者(介護保険法 (平成九年法律第百二十三号)第九条 の規定による介護保険の被保険者(同条第二号 に規定する第二号 被保険者を除く。)をいう。第二十八条の三及び第三十一条第三項において同じ。)である者については、その資格に関する事項で政令で定めるもの
十一  国民年金の被保険者(国民年金法 (昭和三十四年法律第百四十一号)第七条 その他政令で定める法令の規定による国民年金の被保険者(同条第一項第二号 に規定する第二号 被保険者及び同項第三号 に規定する第三号 被保険者を除く。)をいう。第二十九条及び第三十一条第三項において同じ。)である者については、その資格に関する事項で政令で定めるもの
十一の二  児童手当の支給を受けている者(児童手当法 (昭和四十六年法律第七十三号)第七条 の規定により認定を受けた受給資格者(同条第二項 に規定する施設等受給資格者にあつては、同項第二号 に掲げる里親に限る。)をいう。第二十九条の二及び第三十一条第三項において同じ。)については、その受給資格に関する事項で政令で定めるもの
十二  米穀の配給を受ける者(主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律 (平成六年法律第百十三号)第四十条第一項 の規定に基づく政令の規定により米穀の配給が実施される場合におけるその配給に基づき米穀の配給を受ける者で政令で定めるものをいう。第三十条及び第三十一条第三項において同じ。)については、その米穀の配給に関する事項で政令で定めるもの
十三  住民票コード(番号、記号その他の符号であつて総務省令で定めるものをいう。以下同じ。)
十四  前各号に掲げる事項のほか、政令で定める事項

 住民票に旧姓を登録するには、第七条に1項加えるか、十四項の政令を改正する必要が出てきます。

 これらの改正が済めば、市区町村は、住民登録に関わるシステムの改修を始めなければなりません。旧姓併記は希望者にのみです、全員ではありません。しかし、併記を希望する人が、例え、その市にたった1人しかいなくても、すべての住民について併記できるようにシステムを改修する必要があります。

 システム改修が必要なのは、すべての市区町村です。関連業界にとっては、間違いなくものすごい「朗報」でしょう。1市区町村100万円(そんなに低額でできるとは到底思えませんが仮に)としても18億円です。新規のIT公共事業ですね。

■旧姓併記は住民票だけ? 課税証明などはどうするのか

 ところで、市区町村は住民票を管理しているだけではありません。税や福祉、教育などに関わる様々な個人情報を管理し、住民に必要に応じて通知を出したり、求めに応じて諸証明を発行したりしています。
 もし、こうした通知や諸証明にも旧姓の併記をするとしたなら、システム改修の経費はさらに大きく膨らむでしょう。
 もちろん、例えば「課税証明には旧姓は併記しない」という選択を市区町村がとることは可能です。
 しかし、勤務先や融資先などに課税証明を出さなければならないときに、「旧姓は併記されません」では、施策として中途半端すぎます。「住民票に載っているのになぜだ」と、住民からは間違いなく苦情が出るでしょう。

■戸籍にマイナンバーを紐付ければ、旧姓併記は簡単に実現?

 旧姓併記は、これから結婚する人だけが、婚姻届の際に希望することになるのでしょうか。いくらなんでも、そんなことはないでしょうね。常識的に考えて、既婚者にも遡って適用されるでしょう。そうなれば、戸籍のデータが必要になります。住民票には旧姓は「まだ」掲載されていませんから。

 さてさて、どうするのでしょう。本人からの申請を鵜呑みにするわけには行きません。旧姓を併記して欲しい希望者に戸籍謄抄本を持参させるのでしょうか。本籍地と住所地が違っていたら手間ですね。

 それとも、政府はマイナンバーを戸籍にも紐付ける予定ですから、「役所の方で自動的にします、何の問題もありません」ということなのでしょうか?
 もちろん、マイナンバーと戸籍を紐付けるには、各市区町村の戸籍簿の管理システムなどの大規模な改修が必要です。こちらは、どう考えても数十億円単位では解決しないでしょう。

 とにかくたくさんのお金が必要なのは間違いありません。

■旧姓併記は「女性活躍の推進」事業の一環

 ところで、記事に出て来る「8月2日に閣議決定した経済対策」とは何かというと、これは「未来への投資を実現する経済対策」(PDF)のことです。

 確かに「Ⅰ.一億総活躍社会の実現の加速」の「(2)若者への支援拡充、女性活躍の推進」に、「女性活躍推進等に対応したマイナンバーカード等の記載事項の充実等(総務省)」とあります(22頁)。
 しかし、書かれているのは、たったこれだけです。記事にある住民票云々はありません。

 安倍政権の目玉施策である「女性活躍の推進」にとって、旧姓併記がどれだけ貢献するのかはわかりません。また、そもそも旧姓で困っているのは「女性だけ」との認識にも違和感があります。
 もし、この施策が「女性活躍の推進」に有効だとしても、なぜ、マイナバーカードの発行システムを構築する前に検討しなかったのでしょう。
 また、既にマイナンバーカードの交付を受けている人で、併記を希望する方は、再度交付申請を位置からやらなければなりません。
 経費、要するに国民が支払った税金の無駄遣いとしかいいようがありません。

 まあどちらにしても、「夫婦別姓を求める人」にとっては肩すかし以上の意味はないでしょう。同じお金を使うなら、併記というような姑息なことではなく、夫婦別姓を実現するために使うべきではないでしょうか。

 なお、本稿は、旧姓併記を「婚姻によるもの」として書いていますが、旧姓は養子縁組でも生じます。また、戸籍のない外国人住民にも旧姓がある場合もあるでしょう。政府は、どこまでを範囲に考えているのでしょうか。

■補足 旧姓併記の意味

 では、マイナンバーカードや住民票に旧姓が併記されたことによって、市民にはどのようなメリットが生じるのだろうか。

 旧姓を併記したマイナンバーカードや住民票の写しを見せれば、旧姓で、預金口座を開設できるのか、ローンは組めるのか、クレジットカードを取得できるのか、不動産や自動車などは購入できるのか、公的機関が交付する免許証はもらえるのか、携帯電話の契約は出来るのか。おそらく関連法の改正が必要だろうし、そう簡単にはいかないだろう。

 ところで、従業員の源泉徴収や年金・健康保険・社会保険の事務処理には、現在、マイナンバーが必要となっている。
 旧姓使用している従業員がいると、マイナンバーカードなどを使った本人確認等の事務処理が煩雑になる。もし、マイナンバーカードに旧姓が併記されていれば、雇用主だけでなく、書類の提出を受ける税務当局や市役所、年金機構、健保組合、ハローワークなどは多少は楽になるだろう。

 詰まるところ、そういう意味しかないのではないか。旧姓で働く人たちを雇用しても、煩雑にならないように、政府として手を打ちました(=女性が活躍できる条件を改善した)のでよろしくということなのではないか。

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