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2016年2月21日 (日)

マイナンバーカードに、ポイントカードの機能を載せる“バカ”政策 (4)

1.仕事始め式で高市総務相が、来年春以降の実現を目指すと
2.ポイント機能の話は、政府の既定方針
3.総務省、2月12日にポイントカードとの一体化を図る検討会を開催
4.マイナンバーカードと公的個人認証に群がる大企業
5.マイキープラットフォームとは何?
6.検討の留意点、持ち歩く危険性には触れず
7.デメリットには全く触れない2つの配付資料
8.全国商店街振興組合連合会専務理事、消費税や軽減税率などへの対応に追われ、関心はほとんどがない
9.マイナンバーカードにこだわる不思議

7.デメリットには全く触れない2つの配付資料

 マイキープラットフォームによる地域活性化方策検討会(第1回)の配付資料にはどんなことが書かれていたのでしょう。

 まず「資料3-1 マイキープラットフォームによる自治体の業務刷新と地域活性化に関する提案(廣川構成員)」(PDF)を見てみましょう。
 地域情報化アドバイザーの肩書きで出席されている廣川聡美氏は、元横須賀市職員(退職時には副市長)のようです。
 提出された資料には、マイキープラットホームにより、ローカルなIDと共通IDを連携させることで何が変わるかや、効果、利用イメージなどが書かれていますが、セキュリティなどに関わる問題や、カード1枚に集約することによるデメリットには全く触れていません。

 共通IDによる行動履歴の収集・活用などについても書かれていません。
 しかし、「6 高度利用・広域利用のイメージ」(PDF)の「健康マイレージ全国選手権」を見ると、「全国ふるさとクラウド」には「利用者が希望すると、利用者の嗜好や興味に合うふるさとを紹介。また、文化、景観、物産やイベントなどのを(ママ)情報をプッシュ型で提供する」とありますし、「高齢者の健康づくりのための健康マイレージの全国版ランキングを、テレビ局等の支援を受けて実施する」とありますから、共通IDを使って個人情報を名寄せし、プロファイリング等に活用する気は充分あるようです。

 次に、「資料3-2 マイキープラットフォームによる地域商店街活性化に関するご提案(岡田構成員)」(PDF)を見ます。
 岡田祐子氏は、DNP(大日本印刷)の元社員で、現在、同社のグループに属するポイントサービスに関するコンサルタント会社の社長です。
 提出された資料では、地域商店街ポイントカードの現状分析、問題点をあげ、その解決策としてマイナンバーカード利活用などを提案しています。「マイナンバーカードを地域商店街ポイントカードの共通デバイス」にすると、商店街にとっては「カード発行代不要」、「管理システム費用もダウン」で「絶大なコスト効果」があり(PDF)、地域住民にとっては「複数持ち歩く必要がなく便利」、「地元商店街ポイントカードの持ち忘れがなくなる」ことで「マイナンバーカード1枚で必要なポイントを利用可能」と利点(PDF)をあげています。

 また、面白いことに、岡田氏は、資料の中で、マイナンバーカードをポイントカードにすることにより得られるであろう購買履歴等を活用することについては、「データ活用」(PDF)とあるだけで、その具体的な中身については一切触れていません。購買履歴の活用は、顧客の囲い込みとともに、ポイントカードの最大の目的であるにもかかわらずです。不思議ですね。触れるとマズイとでも思っているのでしょうか。

 その一方、廣川氏と同様に、個人番号が書かれたカードを日常的に持ち歩くことの危険性などについては一切触れていません。この問題をクリアしない限り、商店街も住民も、マイナンバーカードをポイントカードにすることに賛成はしないでしょう。

8.全国商店街振興組合連合会専務理事、消費税や軽減税率などへの対応に追われ、関心はほとんどがない

 では、これらの配付資料によるプレゼンテーションを受けて、どのような議論が行われたのでしょう。
 残念ながら、2月22日時点では、まだ議事概要が公開されておらず、その中味は分かりませんが、日経BP社の「ITpro」の2015年2月15日付けの記事「マイナンバーカードをポイントカードに 商店街から意見相次ぐ」が議論の様子を「課題が相次いで指摘された」として次の様に伝えています。

 吉田康夫・全国商店街振興組合連合会専務理事は、商店街は消費税や軽減税率などへの対応に追われてマイキープラットフォームにほとんど関心がないとして、「自分たちにどういうメリットがあるか分かりやすく説明される必要がある」と述べた。また、消費者にはマイナンバーの漏洩などを恐れてカードを持ち歩くことに不安もあるとして、「カードの有効性や魅力を消費者側にきちんと伝えることが大事」(吉田専務理事)と語った。さらに、広域に使えるポイントカードでは、ポイント分の経費を負担する商店街にとって顧客が再び戻らなければ割に合わない恐れもあると指摘した。

 「商店街は消費税や軽減税率などへの対応に追われてマイキープラットフォームにほとんど関心がない」は、痛烈な意見ですね。総務省は、商店街が抱えている問題を何も分かっていないまま、こんな馬鹿げた構想を進めようとしているようです。

 また、小尾高史・東京工業大学准教授は、マイキーIDについて「連携用IDなのか、自治体が広域で使ってよいものか明確にしないと、プライバシーを心配する方も必ず出てくる可能性がある」とするとともに、カードの紛失などがマイナンバーのシステム運用に影響を及ばさないようにする必要もあるとも指摘されたようです。

 ところで、記事の末尾に出て来る猿渡知之・総務省大臣官房審議官は、総務省自治行政局自治政策課の情報政策企画官として公的個人認証サービスの立ち上げに関わり、その後、京都府に出向し総務部長を務め、後に副知事(2006年5月~2009年4月)になった方です。

9.マイナンバーカードにこだわる不思議

 さて、このマイキープラットフォームによる地域活性化方策検討会検討会は、マイナンバーカードを利用することを当然として議論していますが、公的個人認証の電子証明書は、マイナンバーカードでしか機能しないのでしょうか。配付資料「マイナンバーカードのマイキー部分について」(PDF)の1頁に「ICチップ内の電子証明書の利用にはマイナンバー(個人番号)は使用しません」とありますから、別のICカードでも可能でしょう。
 なぜ、商店街や住民からの抵抗――持ち歩くことの危険性など――が予想されるマイナンバーカードにこだわるのでしょうか。

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 結局のところ「マイナンバーカードにポイントカードの機能を」は、商店街振興策からで出来た話ではなく、マイナンバーカードの普及を進める手段として、現実を見ない政治家や官僚の机の上で捻り出されたものなのではないでしょうか。

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