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2015年11月 9日 (月)

個人番号カード(マイナンバーカード)を市役所に取りに行くと、顔認証されることが判明

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 先日、住民行政の窓編集部編、市町村自治研究会編集協力『通知カード・個人番号カードの交付等に役立つ 窓口業務必携!』(日本加除出版株式会社)を入手した。

 「通知カード及び個人番号カードの交付等に関する事務処理要領」、「通知カード及び個人番号カードの交付等に関する事務処理要領に係る質疑応答集」、「通知カードの運用上の留意事項、個人番号カードの運用上の留意事項及び転入届の特例及び住民票の写しの広域交付の運用上の留意事項」などが収録されている。

■ 事務処理要綱 個人番号カードの交付時に市役所で「顔認証を行う」

 「通知カード及び個人番号カードの交付等に関する事務処理要領」は、2015年9月29日付けで、総務省自治行政局が定めたものである。
 市区町村における通知カードや個人番号カードの住民への交付などに関する手続きや処理の方法について事細かく書かれている。

 その「第3 個人番号カード」―「2 個人番号カードの交付等」―「(1)個人番号カードの交付」―「ウ 交付」の項に、「顔認証」の言葉が出て来る。

 (個人番号カードの交付に際して―引用者)個人番号カードに添付された写真と交付申請者との同一性を,顔認証システムを活用しながら確認する。この場合において,まず目視により同一性の確認を行い,同一性が容易かつ確実に識別できると認める場合を除き,あわせて顔認証システムによる同一性の判定を行う。当該判定において同一性が確認できるとされた場合には,特段の事情のない限り,交付して差し支えない。一方,当該判定において同一性が確認できないとされた場合には,交付しないこととする。
 なお,当該判定に先立ち,交付申請者に対し,個人番号カードに添付された写真と交付申請者との同一性を判定するため,顔認証システムを活用すること,及び撮影した画像は当該判定以外に利用せず,かつ,保存されないことを説明する。

 また、同じく2015年9月29日に、自治行政局がとりまとめた「通知カード及び個人番号カードの交付等に関する事務処理要領に係る質疑応答集」にも、次の様に書かれている。

問15 顔認証システムは、必ず導入しなければならないのか。

答 原則として全市町村で導入し、活用することを想定している。

■ 窓口で使われる顔認証システムはNEC製

 事務処理要領や質疑応答集に出で来る「顔認証システム」とは何か。
 2015年9月16日付けの「日経コンピュータ」の記事「NEC、マイナンバー制度で全国1743の地方公共団体に顔認証システム導入」には、「個人番号カード交付窓口用顔認証システム」は「マイナンバー制度の開始にともない、全国1743の地方公共団体の個人番号カード交付窓口で本人確認のために利用する」もので、NECが地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から受注したものとある。
 なお、受注額については公表していないとある。また、現在、地方公共団体情報システム機構のサイトには、顔認証システムに関する情報は一切掲載されていない。

 記事には、導入されるのは、顔認証エンジン「NeoFace」で、「個人番号カードの券面情報の顔写真か、個人番号カード交付申請書の顔写真をスキャナで読み込んで、読み込んだデータをカメラで撮影した来庁者の顔情報と照合。類似度を数値で画面に表示する。地方公共団体の職員は、表示した数値を各地方公共団体の基準に照らし合わせて、交付の可否を判断する目安とする」とある。

 顔認証エンジン「NeoFace」については、NECのサイトに詳しく紹介されており、「NEC、マイナンバー制度開始に伴う、全国の地方公共団体向け顔認証システムを受注 ~ 個人番号カード交付時のなりすましを防止 ~」とのプレスリリースも公開されている。
 また「顔認証で待ち時間を大幅短縮!ユニバーサル・スタジオ・ジャパンRのゲートシステム」という動画もあり、その説明文には

 パークチケットブースでQRコード付きの年間パスを受け取ったゲストが、エントランスの認証用のモニター画面で顔写真を登録して入場。2回目以降の入場からは、年間パスをリーダーにかざし、認証用モニター画面に顔を向けるだけで入場出来ます。最初に登録した写真との照合にかかる時間は、約1秒。まさに“顔パス”で入場するような環境を実現しています。

とあり、このシステムが大変すぐれたものであることが理解できる。おそらく各市区町村の窓口に設置される「顔認証システム」も、同等の識別能力をもつのだと思われる。

 なお、2015年9月16日付けの「琉球新報」は、「本人確認を厳格化して、申請者のふりをしてカードを受け取る『なりすまし』を防ぐ狙いだが、顔を撮影されることに抵抗を感じる住民もいるとみられる」と報じている。

■ NECが自民党に顔認証システムを提案したのは2015年4月

 先の「日経コンピュータ」の記事の末尾には、「NECは自民党IT戦略特命委員会で『個人番号カードの民間利活用』として顔認証システムを紹介していた」とある。これは、2015年4月22日に自民党本部にて開催されたIT戦略特命委員会マイナンバー利活用推進小委員会(PDF)のことであろう。
 その際にNECは「個人番号カードの民間利活用について」(PDF)と題した資料を提案しており、その6頁、7頁に顔認証に関する情報が掲載されている。この会議には、自民党から平井たくや氏が委員長として、福田峰之氏が小委員長として、また省庁からは内閣府の向井治紀社会保障改革担当室内閣審議官などが出席している。なお、福田氏はマイナンバーを所管する甘利明大臣の補佐官でもある。

 4月の自民党の会議に一企業が提案したものが、その5ヶ月後に、国によって、ほぼそのまま採用されているのだとしたら、安倍政権のスピード感はもはや尋常ではない。ほとんどミラクルである。
 因みに、街角にある証明写真機からも個人番号カードが申請できるように制度整備をしたのも一企業の提案から4ヶ月ほどの期間しか要しなかった(参考「DNPの自民党への提案がそのまま実現? マイナンバーカード、街角にある証明写真機からも申請OKに!」)。

226■ マイナンバー事業受注社が自民党に献金との報道も

 ところで、これは本稿とは直接関係ないと思われるが、日本共産党の「しんぶん赤旗」は、「マイナンバー事業 9社で772億円独占 国民のプライバシー食い物」と題した記事を2015年11月3日に、また「マイナンバー事業受注の4社 自民に2.4億円献金 09~13年 政官財の癒着浮き彫り」と題した記事を11月8日に、それぞれ掲載しており、そのどちらの記事にもNECの文字が見られる。

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