フォト

本を出しました

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想
2016年10月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

« 2015年10月 | トップページ | 2015年12月 »

2015年11月10日 (火)

マイナンバーカードの申請の際に使った顔写真は、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)によって15年間、デジタル情報として保存される

 ブログ記事「個人番号カード(マイナンバーカード)を市役所に取りに行くと、顔認証されることが判明」に書いたように、個人番号カードを市区町村が交付する際に、本人確認のために「顔認証システム」が活用される。これは、交付申請書に添付した顔写真と、交付を受けに来た者の顔を比較し、同一人であるかどうかをコンピューターが自動的に判定するものだ。

 ところで、交付申請書に貼り付けた写真はどうなったのだろうか。誰かがどこかで保存しているのだろうか。
 まず、番号法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)(PDF)を見てみる。

(個人番号カードの交付等)

第十七条 市町村長は、政令で定めるところにより、当該市町村が備える住民基本台帳に記録されている者に対し、その者の申請により、その者に係る個人番号カードを交付するものとする。この場合において、当該市町村長は、その者から通知カードの返納及び前条の主務省令で定める書類の提示を受け、又は同条の政令で定める措置をとらなければならない。

とある。
 そこで、施行令(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行令)(PDF)を見ると

(個人番号カードの交付)

第十三条 個人番号カードの交付を受けようとする者(以下この条及び附則第三条において「交付申請者」という。)は、総務省令で定めるところにより、その交付を受けようとする旨その他総務省令で定める事項を記載し、かつ、交付申請者の写真を添付した交付申請書を、住所地市町村長に提出しなければならない。

2 住所地市町村長は、前項の規定による交付申請書の提出を受けたときは、交付申請者に対し、当該市町村の事務所への出頭を求めて、個人番号カードを交付するものとする。

とあるので、今度は総務省令(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の規定による通知カード及び個人番号カード並びに情報提供ネットワークシステムによる特定個人情報の提供等に関する省令)(PDF)を見る。すると

(個人番号カードの交付申請)

第二十条 交付申請者は、令第十三条第一項に規定する交付申請書(以下「交付申請書」という。)に署名し、又は記名押印しなければならない。ただし、総務大臣の定める方法により交付申請書を提出する場合には、この限りでない。

(交付申請書の記載事項)

第二十一条 令第十三条第一項の総務省令で定める事項は、交付申請者の氏名、住所並びに個人番号又は生年月日及び性別とする。

(交付申請書に添付する写真)

第二十二条 令第十三条第一項の規定により交付申請書に添付する写真は、申請前六月以内に撮影した無帽、正面、無背景のものとする。

(交付申請書の保存)

第二十三条 住所地市町村長は、法第十七条第一項の規定により交付した個人番号カードに係る交付申請書を、その受理した日から十五年間保存するものとする。

とある。

■ 総務省令は市町村長に顔写真の15年間の保存を要請するが、実際は・・・

 ようやく判明した。交付申請書は市町村長が15年間保存するとあるから、添付された顔写真も同様に市町村長が15年間保存することになるのだ。

 一方、個人番号カードの有効期間は、同総務省令(第26条)によると、発行の日において20歳以上の者は「当該発行の日から当該発行の日後のその者の十回目の誕生日まで」、また発行の日において20歳未満の者は「当該発行の日から当該発行の日後のその者の五回目の誕生日まで」となっている。
 交付申請書と添付写真は個人カードの有効期間が切れた後もおよそ5年または10年保存されることになる。

 では、市町村長―要するに市役所や町村役場―が交付申請書と添付写真を本当に保存するのかというと実はそうではない。

 総務省令(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の規定による通知カード及び個人番号カード並びに情報提供ネットワークシステムによる特定個人情報の提供等に関する省令)(PDF)には次のような規定が存在する。

(通知カード・個人番号カード関連事務の委任)

第三十五条 市町村長は、地方公共団体情報システム機構(以下「機構」という。)に、通知カード及び個人番号カードに係る事務のうち次に掲げる事務(以下「通知カード・個人番号カード関連事務」という。)を行わせることができる。

一 通知カード、交付申請書の用紙及びこれらに関連する印刷物(この号及び次条第一項第二号において「通知カード等」という。)の作成及び発送(受取人の住所及び居所が明らかでないことその他の理由により返送された通知カード等の再度の発送を除く。)

二 通知カードの作成及び発送等に関する状況の管理

三 交付申請書及び第二十八条第一項に規定する再交付申請書の受付及び保存

 【以下略】

 現実には全ての市町村が、通知カード・個人番号カード関連事務を地方公共団体情報システム機構(J-LIS)に委任しているのだから、機構が交付申請書と添付写真を保存することになる。

 なお、保存の方法については、2015年9月29日に自治行政局が定めた「通知カード及び個人番号カードの交付等に関する事務処理要領」の「第3 個人番号カード」―「2 個人番号カードの交付等」―「(1) 個人番号カードの交付」―「ア 交付申請書の受理」 に次のような記述がある。

(エ)交付申請書の保存
 住所地市町村長は、交付した個人番号カードに係る交付申請書を、その受理した日から15年間保存する(省令第23条)。保存の方法は、原本や写しを保存する方法でなくとも、電磁気的方法によることとして差し支えない。

■ 顔写真は、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が市町村長に代わってデジタル情報として保存。その数は8,700万人分に?

 地方公共団体情報システム機構による交付申請書の保存の方法も、この規定に従って行われると思われるが、スマホからの申請や、自動証明写真機からの申請も可能なことから考えれば、顔写真は電磁気的方法、すなわちデジタル化された情報として記録されていると見て間違いないであろう。

 まとめてみると、個人番号カードの交付申請をする際に、申請書に貼り付けた顔写真は、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)によって、向こう15年間にわたって、デジタル化された情報として保存される。

 なお、政府は2020年3月末までに、個人番号カードを8,700万枚普及(「マイナンバー制度利活用推進ロードマップ(案)」(PDF))させるとしており、計画通りに進むなら、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)は、日本に住む8,700万人分のデジタル化された顔写真を保有することになる。

◆関連記事

マイナンバーカード交付時の顔認証、ソフトウェアは J-LIS から無償で配布と判明

マイナンバーカードの交付の際に「顔認証システム」を拒否するとカードはもらえません ただし、その法的根拠は「事務処理要領」だけ

個人番号カード(マイナンバーカード)を市役所に取りに行くと、顔認証されることが判明

2015年11月 9日 (月)

マイナンバーカードの交付の際に「顔認証システム」を拒否するとカードはもらえません ただし、その法的根拠は「事務処理要領」だけ

 ブログ記事「個人番号カード(マイナンバーカード)を市役所に取りに行くと、顔認証されることが判明」に書いたように、個人番号カードを市区町村が交付する際に、本人確認のために「顔認証システム」が活用されることになったようだ。

■ 顔認証を拒否する者には、カードは交付せず。その法的根拠は「事務処理要領に係る質疑応答集」だけ?

 もっとも、顔認証を活用としたところで、申請者の中には拒否する者も当然いるであろう。
 では拒否するとどうなるのか。2015年9月29日に自治行政局がとりまとめた「通知カード及び個人番号カードの交付等に関する事務処理要領に係る質疑応答集」には次の様に書かれている。

問17 申請者が顔認証システムの活用を拒んだ場合にはどうするのか。

答え 日常的に多くの場面で本人確認書類として活用される個人番号カードに添付される顔写真については、申請者との同一性を容易に識別できる適切なものとすることが重要であることを説明し、理解を求める。それでも理解されない場合には、交付しないこととする。

 国は、どうやら顔認証を拒否する者には個人番号カードを渡さない考えのようだ。極めて高圧的な態度だが、そもそも「交付しない」の法的根拠はどこにあるのだろうか。

 番号法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)(PDF)には

(個人番号カードの交付等)
第十七条  市町村長は、政令で定めるところにより、当該市町村が備える住民基本台帳に記録されている者に対し、その者の申請により、その者に係る個人番号カードを交付するものとする。この場合において、当該市町村長は、その者から通知カードの返納及び前条の主務省令で定める書類の提示を受け、又は同条の政令で定める措置をとらなければならない。

とあり、施行令(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行令)(PDF)には

(個人番号カードの交付)
第十三条 個人番号カードの交付を受けようとする者(以下この条及び附則第三条において「交付申請者」という。)は、総務省令で定めるところにより、その交付を受けようとする旨その他総務省令で定める事項を記載し、かつ、交付申請者の写真を添付した交付申請書を、住所地市町村長に提出しなければならない。
2 住所地市町村長は、前項の規定による交付申請書の提出を受けたときは、交付申請者に対し、当該市町村の事務所への出頭を求めて、個人番号カードを交付するものとする。

とあるだけだ。
 「顔認証システムの活用を拒んだ場合には個人番号カードを交付しない」との規定は見あたらない。
 もっとも、こうした規定がないのは、本人確認のために顔認証システムを活用すること自体が、番号法にも施行令にも書かれておらず、「通知カード及び個人番号カードの交付等に関する事務処理要領」において初めて登場するのだから、ある意味当然であろう。

 個人番号カードの交付を受けに来た住民を顔認証するというプライバシーの侵害を起こしかねないことを、自治行政局が決めた「事務処理要領」だけを根拠にやろうとするのはあまりにも無茶ではないだろうか。

■ 顔認証システムが本人ではないと判定すれば、カードは不交付になるのだが、その根拠も「事務処理要領」だけ?

 では、顔認証システムが、交付を受けに来た者が、申請者本人でないと判定した場合はどうなるのか。

 総務省自治行政局が2015年9月29日に定めた「通知カード及び個人番号カードの交付等に関する事務処理要領」の「第3 個人番号カード」―「2 個人番号カードの交付等」―「(1)個人番号カードの交付」―「ウ 交付」の項には

 (個人番号カードの交付に際して―引用者)個人番号カードに添付された写真と交付申請者との同一性を,顔認証システムを活用しながら確認する。この場合において,まず目視により同一性の確認を行い,同一性が容易かつ確実に識別できると認める場合を除き,あわせて顔認証システムによる同一性の判定を行う。当該判定において同一性が確認できるとされた場合には,特段の事情のない限り,交付して差し支えない。一方,当該判定において同一性が確認できないとされた場合には,交付しないこととする。

とあり、「当該判定において同一性が確認できないとされた場合には,交付しないこと」になるようだ。
 しかし、こちらも法的根拠は、この事務処理要領を除けばどこにも存在しない。

◆関連記事

マイナンバーカード交付時の顔認証、ソフトウェアは J-LIS から無償で配布と判明

マイナンバーカードの申請の際に使った顔写真は、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)によって15年間、デジタル情報として保存される

個人番号カード(マイナンバーカード)を市役所に取りに行くと、顔認証されることが判明

個人番号カード(マイナンバーカード)を市役所に取りに行くと、顔認証されることが判明

Dsc_00192_2

 先日、住民行政の窓編集部編、市町村自治研究会編集協力『通知カード・個人番号カードの交付等に役立つ 窓口業務必携!』(日本加除出版株式会社)を入手した。

 「通知カード及び個人番号カードの交付等に関する事務処理要領」、「通知カード及び個人番号カードの交付等に関する事務処理要領に係る質疑応答集」、「通知カードの運用上の留意事項、個人番号カードの運用上の留意事項及び転入届の特例及び住民票の写しの広域交付の運用上の留意事項」などが収録されている。

■ 事務処理要綱 個人番号カードの交付時に市役所で「顔認証を行う」

 「通知カード及び個人番号カードの交付等に関する事務処理要領」は、2015年9月29日付けで、総務省自治行政局が定めたものである。
 市区町村における通知カードや個人番号カードの住民への交付などに関する手続きや処理の方法について事細かく書かれている。

 その「第3 個人番号カード」―「2 個人番号カードの交付等」―「(1)個人番号カードの交付」―「ウ 交付」の項に、「顔認証」の言葉が出て来る。

 (個人番号カードの交付に際して―引用者)個人番号カードに添付された写真と交付申請者との同一性を,顔認証システムを活用しながら確認する。この場合において,まず目視により同一性の確認を行い,同一性が容易かつ確実に識別できると認める場合を除き,あわせて顔認証システムによる同一性の判定を行う。当該判定において同一性が確認できるとされた場合には,特段の事情のない限り,交付して差し支えない。一方,当該判定において同一性が確認できないとされた場合には,交付しないこととする。
 なお,当該判定に先立ち,交付申請者に対し,個人番号カードに添付された写真と交付申請者との同一性を判定するため,顔認証システムを活用すること,及び撮影した画像は当該判定以外に利用せず,かつ,保存されないことを説明する。

 また、同じく2015年9月29日に、自治行政局がとりまとめた「通知カード及び個人番号カードの交付等に関する事務処理要領に係る質疑応答集」にも、次の様に書かれている。

問15 顔認証システムは、必ず導入しなければならないのか。

答 原則として全市町村で導入し、活用することを想定している。

■ 窓口で使われる顔認証システムはNEC製

 事務処理要領や質疑応答集に出で来る「顔認証システム」とは何か。
 2015年9月16日付けの「日経コンピュータ」の記事「NEC、マイナンバー制度で全国1743の地方公共団体に顔認証システム導入」には、「個人番号カード交付窓口用顔認証システム」は「マイナンバー制度の開始にともない、全国1743の地方公共団体の個人番号カード交付窓口で本人確認のために利用する」もので、NECが地方公共団体情報システム機構(J-LIS)から受注したものとある。
 なお、受注額については公表していないとある。また、現在、地方公共団体情報システム機構のサイトには、顔認証システムに関する情報は一切掲載されていない。

 記事には、導入されるのは、顔認証エンジン「NeoFace」で、「個人番号カードの券面情報の顔写真か、個人番号カード交付申請書の顔写真をスキャナで読み込んで、読み込んだデータをカメラで撮影した来庁者の顔情報と照合。類似度を数値で画面に表示する。地方公共団体の職員は、表示した数値を各地方公共団体の基準に照らし合わせて、交付の可否を判断する目安とする」とある。

 顔認証エンジン「NeoFace」については、NECのサイトに詳しく紹介されており、「NEC、マイナンバー制度開始に伴う、全国の地方公共団体向け顔認証システムを受注 ~ 個人番号カード交付時のなりすましを防止 ~」とのプレスリリースも公開されている。
 また「顔認証で待ち時間を大幅短縮!ユニバーサル・スタジオ・ジャパンRのゲートシステム」という動画もあり、その説明文には

 パークチケットブースでQRコード付きの年間パスを受け取ったゲストが、エントランスの認証用のモニター画面で顔写真を登録して入場。2回目以降の入場からは、年間パスをリーダーにかざし、認証用モニター画面に顔を向けるだけで入場出来ます。最初に登録した写真との照合にかかる時間は、約1秒。まさに“顔パス”で入場するような環境を実現しています。

とあり、このシステムが大変すぐれたものであることが理解できる。おそらく各市区町村の窓口に設置される「顔認証システム」も、同等の識別能力をもつのだと思われる。

 なお、2015年9月16日付けの「琉球新報」は、「本人確認を厳格化して、申請者のふりをしてカードを受け取る『なりすまし』を防ぐ狙いだが、顔を撮影されることに抵抗を感じる住民もいるとみられる」と報じている。

■ NECが自民党に顔認証システムを提案したのは2015年4月

 先の「日経コンピュータ」の記事の末尾には、「NECは自民党IT戦略特命委員会で『個人番号カードの民間利活用』として顔認証システムを紹介していた」とある。これは、2015年4月22日に自民党本部にて開催されたIT戦略特命委員会マイナンバー利活用推進小委員会(PDF)のことであろう。
 その際にNECは「個人番号カードの民間利活用について」(PDF)と題した資料を提案しており、その6頁、7頁に顔認証に関する情報が掲載されている。この会議には、自民党から平井たくや氏が委員長として、福田峰之氏が小委員長として、また省庁からは内閣府の向井治紀社会保障改革担当室内閣審議官などが出席している。なお、福田氏はマイナンバーを所管する甘利明大臣の補佐官でもある。

 4月の自民党の会議に一企業が提案したものが、その5ヶ月後に、国によって、ほぼそのまま採用されているのだとしたら、安倍政権のスピード感はもはや尋常ではない。ほとんどミラクルである。
 因みに、街角にある証明写真機からも個人番号カードが申請できるように制度整備をしたのも一企業の提案から4ヶ月ほどの期間しか要しなかった(参考「DNPの自民党への提案がそのまま実現? マイナンバーカード、街角にある証明写真機からも申請OKに!」)。

226■ マイナンバー事業受注社が自民党に献金との報道も

 ところで、これは本稿とは直接関係ないと思われるが、日本共産党の「しんぶん赤旗」は、「マイナンバー事業 9社で772億円独占 国民のプライバシー食い物」と題した記事を2015年11月3日に、また「マイナンバー事業受注の4社 自民に2.4億円献金 09~13年 政官財の癒着浮き彫り」と題した記事を11月8日に、それぞれ掲載しており、そのどちらの記事にもNECの文字が見られる。

◆関連記事

マイナンバーカード交付時の顔認証、ソフトウェアは J-LIS から無償で配布と判明

マイナンバーカードの申請の際に使った顔写真は、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)によって15年間、デジタル情報として保存される

マイナンバーカードの交付の際に「顔認証システム」を拒否するとカードはもらえません ただし、その法的根拠は「事務処理要領」だけ

« 2015年10月 | トップページ | 2015年12月 »