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2015年9月 5日 (土)

国家公務員の身分証にマイナンバーのカードを使うお話し (1) ケースに入れると身分証に早変わり

http://blog.jjseisakuken.jp/blog/2015/09/post-6a32.html 9月5日付けの「朝日新聞」に、「マイナンバー(社会保障・税番号)の普及を促すため、政府は国家公務員の身分証を、来年1月から配り始めるマイナンバーの「個人番号カード」と一体化させる。将来的には約64万人の国家公務員すべての身分証を個人番号カードに切り替える」との記事が載っています

  http://www.asahi.com/articles/ASH945RCYH94ULFA02C.html

 この記事だけでは、個人番号カードをどういうやり方で「身分証」にするのかわかりませんが、記事中に出て来る4日に開かれた「各省庁の連絡会議」(正式名称:各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議)の資料が、政府のIT総合戦略本部から公開されています(構成員はこちら)。

■IT総合戦略本部の資料によると

 9月4日に開かれたのは第63回の連絡会議です。議事次第によると、11時から同40分まで、中央合同庁舎4号館12階1208特別会議室にて行われ、福田内閣府大臣補佐官が出席しています。
 国家公務員すべての身分証を個人番号カードにの話は、配布資料4「国家公務員ICカードの個人番号カードへの一体化について」(PDF)の中に書かれています。4枚からなるこの資料を作成したのは内閣官房IT総合戦略室のようです。

 1ページには「各府省への依頼事項」として、次の様に書かれています。

 国家公務員ICカード身分証については、日本再興戦略及び世界最先端IT国家創造宣言に記載があるように個人番号カードへの一体化を速やかに進めていくために各府省には次の各事項において準備を進めていただきたく、各CIOにおかれては、的確な対応をお願いしたい。

◆個人番号カードへの一体化に際し、各府省は当該カードの適切な取扱いや業務時の 携行を徹底するため、必要な内部規程を整備すること。また、業務時の携行に際しては、 国家公務員ICカード身分証に関する基本仕様にある共通のカードケースとともに携行すること。

◆各府省は、個人番号カードが全職員へ配布されるよう、一括申請等を活用し、各府省の機関や部門ごとに効率的に個人番号カードの取得申請を行うこと。

◆個人番号カードへの一体化時期は、平成28年4月1日以降とし、現行の国家公務員ICカード身分証の運用実態にかんがみ、各府省において切り替えスケジュールを作成し、着実に遂行すること。ただし、コスト適正化の観点から、可能な限り早期に移行が完了するよう配慮すること。

◆切り替えスケジュールは9月中を目途に作成すること。

 文中に出て来る「日本再興戦略」は「マイナンバーの戸籍や旅券での利用や、個人番号カードのクレジットカードとしての利用も ―日本再興戦略 改訂2015」に、また「世界最先端IT国家創造宣言」は「マイナンバーとカードの際限なき利用拡大を図る ―世界最先端IT国家創造宣言」にそれぞれ書きましたが、どちらも2015年6月30日に閣議決定された国の正式な方針です。

■個人番号カードを身分証には、閣議決定済みの国の計画

 日本再興戦略には、「個人番号カードの普及・利活用促進」として「来年1月から国家公務員身分証との一体化を進め、あわせて地方公共団体、独立行政法人、国立大学法人等の職員証や民間企業の社員証等として利用検討を促す」と書かれています。
 また、世界最先端IT国家創造宣言は「個人番号カードの普及・利活用の促進」として「2016年1月から国家公務員身分証との一体化を進め、あわせて、地方公共団体、独立行政法人、国立大学法人等の職員証や民間企業の社員証等としての利用の検討を促す」としています。

 どちらにも、個人番号カードの身分証としての利用を、国家公務員から始めて、地方公共団体、独立行政法人、国立大学法人や民間企業にまで広げていこうという計画がうたわれているのです。
 今回の「マイナンバーのカードを国家公務員の身分証に」の話は、これらの計画の実践なのです。

 さて、本題に戻って、個人番号カードをどういうやり方で「身分証」にするのかです。 配布資料4「国家公務員ICカードの個人番号カードへの一体化について」(PDF)の3ページには下記の図(クリックすると拡大されます)が載っています。

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 なんとそれは、「個人番号カードをそのまま利用するのではなく、業務に不要な情報を隠し、所属を記載したカードケース等を用意する事で、国家公務員であることを可視可能にする」という驚くべきアナログ的手法だったのです。

■カードケースで身分証に。しかし、カードの取り出しはいつでもOK

 当たり前ですが個人番号カードは、国家公務員としての身分証だけに使われるのではありません。内閣官房のQ&A(Q3-8)は、カードは「本人確認のための身分証明書として使用できるほか、図書館カードや印鑑登録証など自治体等が条例で定めるサービスに利用」できるなどととしています。こうした利用に際しては、カードケースからカード本体を出す必要があるでしょう。
 ということは、ケースは、本人の意思でいつでも自由にカードを出せるような仕様にしなければなりません。カードとケースを分離困難な状態に一体化することは出来ないのです。

 もうおわかりだと思いますが、ケースさえ入手できれば、誰でもが国家公務員に成りすますことができてしまいます。さらに民間人ではなく、悪いことを思いついた者が国家公務員であれば、他部署の同僚のケースをちょっと拝借して、その部署の職員のふりをすることも可能でしょう(他部署の同僚と合意の上でも当然あり得るでしょう、目的はわかりませんが可能性として)。

 なおケースには「サインパネル領域」がありますので、これで成りすましを防ぐという考えなのかも知れません。しかし、カードを不法入手したものにとっては、おそらく越えがたい壁とはならないでしょう。

■身分証化にICチップも活用するが

 「何を言っている、カードケースだけではない、個人番号カードのICチップも身分証明に利用するのだ」との声も、どこかから聞こえてきそうです。ICチップで身分証明は、いつでもどこでも有効なのでしょうか。

 配布資料4「国家公務員ICカードの個人番号カードへの一体化について」(PDF)の2ページには、下記(クリックすると拡大されます)の身分証明用のアプリを個人番号カードにダウンロードし、IDの組み込みをするような絵があります。このアプリを使って政府庁舎への入退館のゲートの開閉などをするのでしょう。

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 しかし、言うまでもないことですが、このアプリで、カードケースに入った個人番号カードが国家公務員のものであるか否かを確認できるのは、入退館のゲートなど特別なところだけです。訪問先の民間人が、カードのアプリで、この人は本当に国家公務員なのかどうかを確認できるはずがありません。
 結局のところカードケースに頼らざるを得ないのです。

■身分証化は国家公務員だけで終わらず、民間にも!?

 政府は、なぜ個人番号カードの利用に、ここまで拘るのでしょうか。不思議でならない話ですが、ここまでなら国家公務員ではない一般の人には、成りすまし詐欺に遭う可能性があることを除けば、特段関係のないこと・・・・・・のように思えます。

 ところがどっこいそうは行きません。

 先に書いたように、政府は、個人番号カードの身分証としての利用を、国家公務員だけでなく、地方公共団体、独立行政法人、国立大学法人や民間企業にまで広げていこうしています。
 バカだなと笑っていられない事態がみなさんの職場にも、訪れるかも知れないのです。市役所や国立大学などはすぐにでも「右へならえ」をさせられそうです。

 政府は、個人番号カードの職場での一括申請の準備も進めています。配布資料4「国家公務員ICカードの個人番号カードへの一体化について」(PDF)にも「個人番号カードが全職員へ配布されるよう、一括申請等を活用し、各府省の機関や部門ごとに効率的に個人番号カードの取得申請を行うこと」とあります。民間職場であっても、一括申請の話が出て来れば、それは社員証化への布石かも知れません。
 明日は我が身との覚悟が必要でしょう。

 続きもどうぞ

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 国家公務員の身分証にマイナンバーのカードを使うお話し (3) 気象庁は1,800万円かけてICカード作ったばかりだが

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