マイナンバーのカードに、クレジットカードの機能を載せるのは、既に閣議決定された国の方針です
9月29日付けの「毎日新聞」は、総務省の懇談会でマイナンバーのカードにクレジットカード機能も検討として、次の様に報じています。
・・・カードの利活用策を検討する総務省の懇談会(座長・須藤修東大大学院教授)が29日、同省で開かれた。クレジットカード機能を持たせたり、スマートフォンでも利用可能としたりすることなどを検討。来年6月にも策定する成長戦略に反映させる。・・・
この記事を読んで、「えっ、マイナンバーのカードにクレジットカード? そんな無茶な、できるはずない」「いくらなんぼ何でも、そこまで政府はしないでしょ」と思ったあなた、それは勘違いですよ、と言うか事実を知らないだけです。
政府は、6月30日に開催した閣議で、マイナンバーの個人番号カードに、クレジットカードの機能を載せることを既に国の方針として閣議決定しているのです。
ですから、いま行われている議論は、マイナンバーのカードにクレジットカードの機能を載せるか否かではありません。どうやって載せるのかなのです。
なおクレジットカードの機能を載せることが書かれているのは、「日本再興戦略 改訂2015」、「世界最先端IT国家創造宣言 改訂」です。どちらも6月30日に、国の正式な方針として閣議決定されています。
前者の「日本再興戦略 改訂2015」には、2017年度以降でのキャッシュカードやデビットカード、クレジットカードとしての利用の実現へむけ検討すると書かれています。そして、後者の「世界最先端IT国家創造宣言 改訂」にも、2017年度以降の個人番号カードのキャッシュカードやデビットカード、クレジットカードとしての利用などについて民間事業者と検討を進めるとあります。
■クレジットカードだけでなく、「キャッシュカードやデビットカードの機能も」が、閣議決定された国の方針
載せられるのはクレジットカードの機能だけではないのですね。キャッシュカードやデビットカードの機能もです。
政府は、マイナンバーのカードを公務員の身分証や民間企業の社員証、学生証としても使えるように、そしてさらに健康保険証としてもを方針にしています。こうなると当然、私たちはカードを毎日持ち歩くことになります。
そのカードが、キャッシュカードやデビットカード、クレジットカードにもなるわけですから、落としたらもう大変です。
毎日新聞の記事に出て来る総務省の懇談会の正式名称は「個人番号カード・公的個人認証サービス等の利活用推進の在り方に関する懇談会」です。総務省のサイトから、配布資料などがダウンロードできます。
「日本再興戦略 改訂2015」、「世界最先端IT国家創造宣言 改訂」の詳細は、当ブログの下記の記事を読んで下さい。
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