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2015年9月14日 (月)

大阪市では、マイナンバーの「通知カードの返戻対応及び個人番号等カードを交付するための一連の業務」を派遣社員さんにお任せしているようです。他の市町村はどうなのでしょう

 大阪市のサイトに「大阪市マイナンバー制度の導入に伴う通知カード・個人番号カード交付関連業務に関する労働者派遣業務」と書かれたページ[2015年7月17日]があります。
 これによれば、大阪市は「通知カードの返戻対応及び個人番号等カードを交付するための一連の業務」を外資の人材派遣企業に業務委託したようです。

業務委託入札案件

件名大阪市マイナンバー制度の導入に伴う通知カード・個人番号カード交付関連業務に関する労働者派遣業務 
公告(公開)日平成27年7月17日 
種目平成27・28年度本市入札参加有資格者名簿における業務委託種目 13 その他代行 07人材派遣 01人材派遣 
入札(締切)日時平成27年8月19日(水曜日)午前10時 
開札場所大阪市役所本庁舎 地下1階 第5共通会議室 
入札契約方式事後審査型制限付一般競争入札 
契約保証金その他の保証要 (大阪市契約規則第34条第1項による。) 
発注担当局等総務局 
履行(納入)場所本市指定場所 
契約期間(期限)平成28年3月31日まで 
公告(公募)文その他添付資料
質問への回答
備考 

 

■派遣労働者の活用は、効果的・効率的な業務執行体制を構築・運営する必要があるから

 仕様書(PDF)は、業務の目的を 

 ・・・平成27年10月より順次、各市町村から委任を受けた地方公共団体情報システム機構が通知カードを作成し、各世帯へ通知カードを簡易書留にて郵送することとなっているが、「あて所なし」や「保管期間超過」等の事由により、不達として本市へ返戻される通知カードの交付を各区役所にて実施する業務が発生するとともに、個人番号カード交付申請者に対しては、各区役所にて本人確認のうえ、個人番号カードの交付を行う業務など、一時的に大量な業務が発生することを見込んでいる。本事業を円滑かつ安定的に遂行するためには、人材教育等のノウハウを持つ人材派遣会社から派遣される当該業務を遂行する能力を有する労働者(以下、「派遣労働者」という。)を活用し、効果的・効率的な業務執行体制を構築・運営する必要がある。

としています。

 また業務の内容は、「通知カードの返戻対応及び個人番号等カードを交付するための一連の業務」とし、その詳細は仕様書(PDF)の別紙1「業務一覧」及び別紙2「全体業務イメージ」に書かれています。
 別紙1「業務一覧」によると、派遣労働者が担う業務は、2015年10月~の「1 市民からの問い合わせ対応」「2 通知カード返戻分の保管・交付対応」「3 紛失等に伴う再交付申請受付」、2016年1月~の「4 個人番号カード交付受付窓口」「5 個人番号カード等入出庫作業」「6 個人番号カード交付後の質疑応答対応」「7 フロアマネージャ(リーダー業務)」、2015年10月~の「8 通知カードの返戻分の確認・通知作業 市民からの問い合わせ対応」、「9 統括マネージャー業務」の9項目です。このうちの1から7は各区役所で就業、8は総務局で、9は共通となっています。

■誰への通知が返ってきたかを記録するデータベースへの「返戻登録入力」も派遣労働者の仕事

 具体的には、例えば「2 通知カード返戻分の保管・交付対応」は

 不達となった通知カードが区役所に返戻されるため、定期的に総務局へ発送する。総務局において、処理された通知カードが再度、区役所に届くため、整理したうえでキャビネットに保管、市民が受け取りに来た際、通知カードの交付対応をする。

 総務局の処理は、「8 通知カードの返戻分の確認・通知作業 市民からの問い合わせ対応」の

 国が10月より通知カードを送付するが、簡易書留(転送不可)郵便にて送付するため、一時的に大量に発生する返戻分の通知カードについて、返戻登録入力作業等を行い、返戻者に各区への来庁・取得を促す通知ハガキを送付した後、通知カードを各区へ送付する。
また、市民からの電話による問い合わせ対応を行う。

ことでしょう。誰への通知が返ってきたかを記録するデータベースへの「返戻登録入力」も派遣労働者の仕事なのです。
 なお、この入力の際に「不在による」「受取拒否」などの区別が付けられるのかどうかは不明です。また、「受取拒否」をした住民にも、来庁・取得を促す通知ハガキを送付するのかどうかもわかりません。

 また、「個人番号カード交付申請者より交付通知書・免許証等の本人確認書類を受領し、電子証明書の説明及び必要な暗証番号の設定について説明する。また、コンビニ交付等の利用案内を行う」(4 個人番号カード交付受付窓口)ことや、「個人番号カード交付申請者に個人番号カードを引き渡した後、質問等がある場合、その質疑応答対応を行う」(6 個人番号カード交付後の質疑応答対応)ことも、さらに「個人番号等カードの紛失等に伴う再交付申請及び本人確認資料を受付け、地方公共団体情報システム機構へ申請を行う」(3 紛失等に伴う再交付申請受付)ことも派遣労働者の仕事となっています。

 7は「フロアマネージャ(リーダー業務)」となっていますが、フロアマネージャーは、仕様書の別紙3「就業先・従事者数・派遣期間」によれば、2015年10月16日~2016年1月14日の間は総務局に1名、2016年1月15日~同3月31日までの間は各区役所に1名配置されます。
 また、9の「統括マネージャー業務」の統括マネージャーは、2015年10月16日~2016年1月14日は1名、2016年1月15日~同3月31日は2名置かれるようです。
 メンバー(マネージャー以外の一般の派遣労働者のこと)は、2015年10月16日~2016年1月31日の間は総務局に27名、各区役所に3名配置され、2016年1月15日~同3月31日は各区役所に1名ずつ増員されるとなっています。

■「マイナンバー制度に関する一般的な知識」を求めるけれど

 仕様書(PDF)は次の通りの「業務遂行にあたって求める知識・能力、経験等」を求めています。

(1)統括マネージャ

① 業務全般を統括・掌握するとともに、本市職員との調整及び連携等を行い、業務の運用調整を行えること。
② マイナンバー制度、住民情報を取り扱う事務等の知識を有すること。
③ 個人情報及び特定個人情報の適正な取り扱いを熟知していること。
④ リーダー・メンバーに対する労務管理、フォロー、業務指導を行い、業務全体を遂行するマネージメント能力を有すること。

(2)フロアマネージャ(リーダー)、メンバー等

① 基礎的なビジネスマナーを身につけていること。
② 協調性を有すること。
③ 端末操作(テンキー入力、検索操作等)が円滑に実施できること。
④ 電話対応・接客・窓口業務等対人サービスの経歴があること、もしくはその適性があること。
⑤ マイナンバー制度に関する一般的な知識を有すること。
⑥ 発送物の仕分け等の誤りを防ぐため正確な事務処理を行えること。
⑦ リーダーについては、グループリーダー等の取りまとめ業務を行うスキルをもつこと。

※業務開始前までに上記の知識・能力・スキルを有した人材となるよう、派遣元において適切な人選と初期教育を企画して実施すること。

 このように統括マネージャーには「マイナンバー制度、住民情報を取り扱う事務等の知識を有すること」「個人情報及び特定個人情報の適正な取り扱いを熟知していること」を、フロアマネージャー・メンバーには「マイナンバー制度に関する一般的な知識を有すること」を求めていますが、そんな知識や経験を有するものがおいそれと見つかるのでしょうか。正職員ですらマイナンバーの知識は乏しいのが現実ではないでしょうか。 

■マイナンバーの研修は派遣元企業の責任

 仕様書(PDF)では、事前研修については、派遣元企業の責任になっています。大阪市役所にとっては都合の良い契約内容です。

 事前に派遣労働者に対して、官公庁において勤務するために必要な基礎知識等を身に着けるよう教育・指導を行うこと。研修会場については、派遣元において用意し、研修実施日等の研修計画を総務局IT 統括課に報告すること。研修当日は、本市職員が視察を行う。研修日程は、全体で3日間を予定している。
 なお、研修資料、研修カリキュラム・時間、業務内容に係る研修等は、契約締結後、本市と協議のうえ決定する。
 研修内容としては、別紙4「研修内容(案)」参照。また、業務開始後において、従事する派遣労働者に対し、本市職員等より端末操作の説明や具体的な業務内容等の説明を適宜行う。

 「研修当日は、本市職員が視察を行う」とはあり、また別紙4「研修内容(案)」によれば、は、研修は3日間、22.5時間とかなりハードなものとなっています。研修は当然必要ですが、こうした詰め込みで各人が知識をどれだけ身につけ得るのかは、残念ながらわかりません。

 こうした研修だけで、プライバシー保護やセキュリティー確保は大丈夫なのでしょうか。大阪市としては「機密情報及び個人情報にかかる守秘義務の遵守に関する誓約書」にサインさせることで、確保出来ると考えているのかも知れません。
 しかし、派遣労働者から見れば、たった3日間の研修で

(罰則の了知)
 業務上知り得た個人情報及び機密その他を漏洩し、又は不正な目的に使用したとき並びにネットワーク又は記録媒体を通じて第三者に提供したときは、「行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」その他法令等により懲役又は罰金(以下「罰則」という。)に処せられること及び大阪市の区域外においても同様に罰則が適用されることを十分理解したうえで業務に従事します。

と書かれた書類にサインさせられるわけですから、その不安はたいへん大きいでしょう。

 入札日時は、2015年8月19日となっていますが、その結果については、大坂市のホームページにはまだ掲載されていないようです。

■「住所変更していないかなど専用端末を使って詳細を調べる」のも派遣労働者の仕事?

 しかし、この委託契約に基づくと思われる求人情報がネットI流れています。
 「★10月スタート★未経験OK★土日祝休み!安心の官公庁!人気の受付事務♪20~50代活躍中☆」は、各区役所の業務のようです。
 また、「1月末迄!【24名】マイナンバー書類仕分け+入力◎自転車通勤OK」は、大阪市西区立売堀の総務局での仕事でしょう。「お仕事内容」には「まずは、各区から集まってくる不在で返送されてきた通知カードにバーコードを貼ります。次に、住所変更していないかなど専用端末を使って詳細を調べます。最後に、再送する郵送の準備作業をお願いします。」と具体的な作業内容が書かれています。
 専用端末が具体的にどのようなものかはわかりませんが、住民登録(転居、転出の有無)を調べるためのものであるのは間違いないでしょう。

 なお、どちらもマンパワーグループ(株)となっています。Wikipediaによると、マンパワーグループ(株)は、横浜ランドマークタワーに本社を構える企業で、「世界80ヵ国に4,300のオフィスを持ち、ワールドワイドに展開している人材派遣のグローバルカンパニー」だそうです。すごい外資が落札したようです。
 同社のサイトで検索すると「交通費支給+1400円☆大阪市事業プロジェクトリーダー大募集」がヒットしました。落札したのは、同社で間違いないようです。
 業務内容は

 大阪市内24区役所にいるスタッフの管理です(各役所に3名ずついる)各区役所を巡回し、業務のフォローや指導をお願いします。事前に研修を受けた上でのスタートなので、マイナンバーについての知識がなくても安心♪

 とありますから統括マネージャのようです。「事前に研修を受けた上でのスタートなので、マイナンバーについての知識がなくても安心」とありますから、大阪市民のみなさんも安心ですね。

 もちろんこうした委託は大阪市だけが行っているのではありません。通知カードや個人番号カードの業務について民間委託を行っている自治体はいくつもあります。委託の内容もおそらく似たり寄ったりでしょう。

 政府は、プライバシー保護は万全、世界最先端なとど言っていますが、マイナンバー制度の足下は、低賃金、不安定雇用の労働者に頼らざるを得ないというお粗末なものなのです。日本社会を象徴している公共事業と言えます。

■派遣労働者やアルバイトはいても、通知カード・個人番号カードの業務の中に正職員はいない?

 最後に、仕様書(PDF)の別紙2「全体業務イメージ」(クリックすると拡大されます)を貼っておきます。興味のある方はじっくり見て下さい。臨時的任用職員(アルバイト)はいても正職員は絵の中にはいないようです。

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