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2015年7月11日 (土)

DV等の被害者、申出すればマイナンバーの通知カード、送付先変更が可能に?

     簡単に言うと

  • 大阪市が、DV・ストーカー・児童虐待等の被害者で、マイナンバーの通知カードが送付されることで、新たな被害が発生する可能性がある人について、申出があれば送付先を変更することが可能とTwitterやウェブサイトで広報。
  • ただし、送付先を変更できるのはDV、ストーカー、児童虐待等で住民基本台帳法上の支援措置を受けている人だけ。支援措置を受けていない人については現時点では未定、「国から詳細が示され次第お知らせいたします」とあるのみ。また、DV等以外の理由では送付先は変更できないと案内。
  • こうした対応しかできないのは、マイナンバー制度が法定受託事務のため。国が措置を示さなければ、市町村は何も出来ない。
     
  • 【続報】はこちら

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

  → 総務省が、DV被害者等への通知カードの送付先変更の案内ページを開設

 2015年7月10日15時47分、大阪市広報(公式)アカウントから「マイナンバー制度の導入に伴い、住民票記載の住所へ通知カードが送付されます。DV(配偶者暴力)等の被害者で、通知カードが送付されることで、新たな被害が発生する可能性がある方は、申出いただくことにより送付先を変更することが可能です。
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000313940.html …」とのツイートがなされた。

 ツイートで紹介されたリンク先は大阪市のWebサイトにある「震災避難者、DV(配偶者暴力)・ストーカー・児童虐待等で避難されている方へ」と題されたページ(http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000313940.html)だ。

■DV等の被害者、通知カードの送付先変更が可能に

 筆者である黒田は、2015年3月29日付けのブログ「住民票を移せない人たちを切り捨てるマイナンバーの政府広報」、及び、同31日付けのブログ「住民票を移せずマイナンバーが届かない人はどうなる」において、DVなどから逃げているため住所地に住民票を移していない、移すことが出来ない人には、マイナンバーの通知が届かず、自分の番号を知ることが出来ない、また、DVの加害者に番号が知られてしまうことになると問題点を指摘したが、大阪市のページはこうした問題に対する対応策のようだ。

 大阪市のページにはこう書かれている

 通知カードは皆様へ確実に届けられるように、住民票に記載されている住所と異なる住所に住んでいる方は、区役所に住所変更を届け出ていただくことが基本となります。

 ただし、震災避難者、DV(配偶者暴力)・ストーカー・児童虐待等の被害者で、住民票に記載されている住所に通知カードが送付されることで、新たな被害が発生する可能性がある方については、申出いただくことにより通知カードの送付先を変更することが可能です。申出の期間や方法等の詳細については、現時点では未定です。今後、国から示され次第お知らせします。

 肝心の「申出の期間や方法等の詳細」が、通知までもう3ヶ月ほどしか残っていないのに、「未定」には、正直がっかりさせられるが、それでも国が対策をとろうとしているのは歓迎できる。

■送付先変更は「住民基本台帳法上の支援措置」を受けている者だけ

 しかし、「良かった」と喜ぶのは性急過ぎる。問題は誰が対象なのかだ。

2 対象となる方

 大阪市に住民登録がある方で次のいずれかに該当する方

 ・震災避難者
 ・DV(配偶者暴力)、ストーカー、児童虐待等で住民基本台帳法上の支援措置を受けている方のうち、住民票の住所に通知カードを送付することで、新たな被害が発生する可能性がある方

とある。
 DV等については、「住民基本台帳法上の支援措置」を受けている者に限定されているのだ。

 「住民基本台帳法上の支援措置」とは、総務省の「住民基本台帳事務処理要領」によれば、市町村長が「ドメスティック・バイオレンス及びストーカー行為等の加害者が、住民基本台帳の一部の写しの閲覧及び住民票の写し等の交付並びに戸籍の附票の写しの交付の制度を不当に利用してそれらの行為の被害者の住所を探索することを防止し、もって被害者の保護を図ることを目的」として、閲覧や写しの交付などを制限する措置である。

■「住民基本台帳法上の支援措置」とは何か

 大阪市のサイトには、このための手続きについて書いてあるページが見つからなかったが、宇都宮市のウェブサイトに説明文書(PDF)(http://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/dbps_data/_material_/_files/000/000/002/777/siennsotisetumei.pdf)があったので、そちらから一部を抜粋する。

申請できる人

原則として被害者本人

・配偶者暴力防止法第1条第1項に規定する配偶者からの暴力の被害者
・ストーカー規制法第7条に規定するストーカー行為等の被害者
・児童虐待防止法第2条に規定する被害者
・上記に準ずる被害者(子・兄弟などの親族,その他の者からの被害)

支援期間

申請翌日から1年間(延長可) ※期限が切れる前に通知いたします。

手続に必要なもの

・住民基本台帳事務における支援措置申出書「別紙」
・本人確認書類(運転免許証,住民基本台帳カード 等)

「住民基本台帳法上の支援措置」の手続きの流れ

033_4

 要するに、こうした申請手続きをし「住民基本台帳法上の支援措置」が認められた者についてのみ「申出いただくことにより(通知カードの)送付先を変更することが可能」ということなのだ。

■「住民基本台帳法上の支援措置」を受けていない人への対策はまだ「白紙」?

 では、DV等を受けているが、申請していない者や申請することが困難な者、申請したがまだ認められていない者はどうなるのか。

 大阪市のページには

※ また、DV(配偶者暴力)、ストーカー、児童虐待等被害者で住民基本台帳法上の支援措置をまだ申し出てはいないが、住民票に記載されている住所に通知カードを送付すると新たな被害が発生する可能性がある方への対応についても、現時点では未定ですので、国から詳細が示され次第お知らせいたします。

とある。
 もうすぐ通知が始まるというのに、まだ未定なのだ。加害者に通知が届くことによって、また、被害者に通知が届かないことによって、基本的人権が侵害される可能性は大きいのに、こんな有様なのだ。

 それでも「国から詳細が示され次第」とあるから、待っていれば国から詳細が示されると期待していいのだろうか。色々考えましたがとれる措置はありませんとして、切り捨ててしまうことはないのだろうか。

■震災避難者やDV等の被害者でなければ、送付先の変更は出来ない

 ところで、住民票を住所地に移せない人は、震災避難者やDV等の被害者以外にもいる。借金取りから逃げているなど様々な理由があるだろう。しかし、こうした人たちへの対応は示されておらず、この大阪市のページの下の方にある「よくある質問(FAQ)」には次の様に冷たく書かれているだけである。

Q DV・ストーカー・児童虐待等の被害者以外の理由で通知カードの送付先は変更できますか。

A DV・ストーカー・児童虐待等の被害者以外の理由では、通知カードの送付先の変更はできません

 もちろん、こうした「冷たい対応」は大阪市の責任ではない。マイナンバー制度に係わる事務は法定受託事務であり、市町村が独自に対応する余地はほとんどないのだ。国が措置を示さなければ、いくら大阪市や大阪市の職員が、市民のために何とかしたいと思ってもでどうすることも出来ないのだ。

【続報】DV等の被害者、申出すればマイナンバーの通知カード、送付先変更が可能に?

【続々】DV等の被害者、申出すればマイナンバーの通知カード、送付先変更が可能に?

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