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2015年7月21日 (火)

「社員のみなさん、マイナンバーカードの交付申請は会社で一括しますのでよろしく」もありに (1)

    簡単に言うと

  • マイナンバーの事務を行うJ-LISのサイトに掲載された資料に、個人番号カードの交付申請のやり方の1つとして、勤務先企業等が従業員の申請を取りまとめ一括して行う「勤務先企業等による一括申請方式」が書かれている。
  • 勤務先企業が一括申請方式をとれば、従業員にとってカード取得は事実上強制になる可能性が大きい。政府の方針である「個人番号カードを社員証として使う」ためには、この方式が有効であろう。
  • IT総合戦略本部のマイナンバー等分科会での議論がもととなっているが、「勤務先企業等による一括申請方式」の規定は、番号法にも施行令にもなく、国民のほとんどは知らない。
  • 安倍政権は、マイナンバーにおいても、国民に情報を正しく知らせることなく、ひたすら暴走しているのだ。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 今日、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)の公開資料を見ていて、とんでもないことを政府が考えていることに気付いた。日頃からマイナンバーに関する政府の発表資料については目を通すようにしていたのだが、たいへん重要なことであるにもかかわらず、この件については全く気が付かなかったのだ。迂闊としか言いようがない。

 J-LIS(https://www.j-lis.go.jp/index.html)は、地方公共団体情報システム機構法に基づき設けられた組織であり、マイナンバーに関する事務を一手に行うことになっている。
 また、J-LISは、地方自治体向けに月刊誌「月刊J-LIS ―地方自治情報誌―」を発行しているのだが、掲載記事のうちマイナンバーに関するものについては、現在、ウェブサイトで公開されている(https://www.j-lis.go.jp/bangoseido.html)。

■総務省の課長による、個人番号カードの交付に関する一文

 2015年7月号の特集テーマは「番号制度に向けた自治体の取組み」なのだが、それらの記事5本もPDFで公開されている。そのうちの「個人番号の通知と個人番号カードの交付における留意点 ―個人番号の通知と個人番号カードの交付に関する事務処理について」(総務省自治行政局住民制度課課長補佐 内海隆明)を読んでみた(https://www.j-lis.go.jp/data/open/cnt/3/1282/1/H2707_05.pdf)。

 これまで公開されていなかった情報が色々と書かれているのだが、読んでいて一番驚いたのは、3枚目(24頁)の「(4)個人番号カードの交付に関する事務処理」に書かれた次の一節だ。

 個人番号カードの交付方法としては、機構(引用者―「J-LIS」のこと)が作成して市区町村に送付する交付通知書に、市区町村において来庁期限を記載し、交付準備が整い次第それを本人に送付して、市区町村窓口に来庁してもらう交付時来庁方式が原則であるが、カードの交付申請時に来庁する方式や、企業においてカードの交付申請を取りまとめる方式など、多様な方式を用意することとしている(別紙⑧参照)。

■寝耳に水の「勤務先企業等による一括申請方式」

 これまで、個人番号カードは、申請者本人が市役所(区役所・町村役場)に出向いて交付を受けるものとばかり思っていた。
 実際、内閣官房のマイナンバーの解説サイトのQ&A Q3-9(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/faq/faq3.html)には「個人番号カードの交付を受ける際は、原則として、ご本人が市区町村の窓口に出向いていただき、本人確認を行う必要があります。ただし、病気や障害などによりご本人が出向くことが難しい場合は、ご本人が指定する方が代わりに交付を受けることができます。(2014年6月回答)」と、本稿執筆時点においてもそう書かれている。

 しかし、「月刊J-LIS」2015年7月号には「企業においてカードの交付申請を取りまとめる方式など、多様な方式を用意する」とあるのだ。少なくとも私にとっては、こんな話は寝耳に水である。交付申請を取りまとめる「企業」とは何のことなのか。

 先の記事で参照先としてあげられている別紙⑧には6つの図が掲載されている。
 その1枚目である⑧―1(下図)には「個人番号カードの申請・交付方式(案)について」として、これまでの「①交付時来庁方式」に加え、「④勤務先企業等による一括申請方式」と「⑤勤務先企業等による一括申請方式(勤務先企業等に職員が出向き一括申請受付)」が示されている。「企業」とは「勤務先企業」の意味だったのだ。

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 そして別紙⑧―5には「④勤務先企業等による一括申請方式」についての、⑧―6には「⑤勤務先企業等による一括申請方式(勤務先企業等に職員が出向き一括申請受付)」についての業務フローが図示されている。

■これまで説明されてきたのは「交付時来庁方式」

 勤務先企業等による一括申請方式について検討する前に、まず、これまで説明されてきた⑧―1(下図)の「①交付時来庁方式」を確認してみる。

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 図の一番下には「事業者」とある。これは何か。本文中には説明がないが、J-LISがカード発行に係わる事務を委託した企業であろう。

 事業者はJ-LISから国民等(住民登録のある国民と在留外国人)のデータを受け取り、通知カードと交付申請書を作成し、国民等に郵送する。
 個人番号カードの交付を希望する国民等は申請書に必要事項を記入し、事業者に返送する。事業者は個人番号カードを発行し、申請者の住所地の市役所等(市・区役所、町村役場)に送付する。
 市役所等が申請者に交付通知書を送付し、申請者は届いた通知書を市役所等の窓口に持参し、個人番号カードを通知カードと交換し、受け取る。その際にカードへの暗証番号の設定も行う。こういう流れになる。

■「勤務先企業等による一括申請方式」とは?

 では、⑧―5(下図)の「④勤務先企業等による一括申請方式」にするとどうなるか。国民等は個人番号カードの交付申請書を事業者に返送するのではなく、「勤務先企業等」が別途交付申請書を社員に配付し、必要事項を記入させた上で、事業者に送付することになる。
 以降については「①交付時来庁方式」と同じである。

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 もう一つの⑧―6(下図)の「⑤勤務先企業等による一括申請方式(勤務先企業等に職員が出向き一括申請受付)」ではどうか。
 この場合は、住民が市役所等に行くのではなく、勤務先企業の所在地の市役所等の職員が勤務先に出向き、その場で本人確認をした上で交付申請書を書かせることになる。その際に、通知カードは回収され、国民等(従業員)に暗証番号設定依頼書に暗証番号を書かせるのだ。
 申請書と依頼書は市役所等から事業者に送られ、事業者はカードを発行し、勤務先企業の所在地の市役所等に送付する。住所地の市役所等ではない。
 そして、勤務先企業の所在地の市役所等は、申請した国民等にカードを直接、本人限定受取郵便等で送付する。住所地の市役所等に取りに行く必要はないのだ。

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 (2)に続く→

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