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2015年5月 6日 (水)

マイナンバーとはいかなるシステムか (1) ―個人を特定するためのシステム

 2015年4月10日に横浜で開かれた神奈川県保険協会主催の講演会での黒田充の話しの一部をテキスト化しました。

 レジュメの「4.マイナンバーとはいかなるシステムか」の部分です。ただし、話がよりわかりやすいように、かなりの加筆をしています。


 私たちは日々生活を送る中で―例えば携帯電話、インターネット、クレジットカード、ICカード乗車券、これらを利用することで―多種多様な個人情報をばらまいています。これらの情報は収集され、記録され、様々に活用されています。また私たちの行動は、街角や駅、コンビニ、銀行、公共施設などに設けられた監視カメラ、防犯カメラに記録され続けています。こうした記録を避けて暮らすことは、少なくとも都市部では、もはや不可能でしょう。ですから、私たちの社会は監視社会と言わざるを得ないと思います。

 私たちがいるのは監視社会である、このことを前提にした場合、直面しているマイナンバー制度とは、どのような性格を持つシステムだと見れば良いのでしょうか。ちょっと考えてみましょう。
 もちろんこれからの話は、制度がスタートする2016年1月の時点で、こうなっているというものではありません。一度始めてしまうと、こうならざるを得ないのではないかという、そういう意味も含めての話です。システムが有する性格という面からマイナンバーを考えてみようというのです。

1 個人を特定するためのシステム

 まずマイナンバーは個人を特定するためのシステムです。一生にわたって我々をトレース、追跡することが可能になります。原則、番号は不変です。もちろん「絶対に不可」ではありません。マイナンバー制度の根拠法である「番号法」では、不正に用いられるおそれがあると認められる場合に限り、本人の申請又は市町村長の職権により変更することができるとなっています。
 これまでの住民票コードは、理由なしでも本人が申請すれば、幾らでも変えることができます。1日に何回でも変えようとすれば変えることもできるのです。しかし、マイナンバーは、不正に用いられるおそれがあると認められない限り、一生変わることも、変えることもできません。

 生まれたときに番号が付けられると、その番号が死ぬまでついて回ります。入園、入学の際にも番号とその記録が紐付けられることになるでしょう。ちょっと高校生のときにグレたら、それも含めて記録されるかも知れません。大学を出て、就職して、結婚して子供ができる。もちろん、こうしたことも番号と関連づけられて記録される。家族みんなで楽しく暮らしていたが、やがて寝たきりになり、死んでしまう。これらも記録される。
 こうした生涯にわたる全てが、その人がどういう人生を生きてきたのかが全部、番号と紐付けられて記録されてしまう。もちろんすぐにはなりませんが、マイナンバーの利用分野を税や社会保障から拡大し、民間利用も含めていけば、やがてそうなるわけです。

 これから生まれてくる人はまさにそうなりますね。そんな世の中が来ようとしています。今日、来られている人はそんなに若くはないようですが、私も含め私たちは、私たちの子どもの時の記録は、まずコンピュータには残ってないですね。まだ手書きの時代でしょう。今から、番号をつけたところで情報を昔のものまで遡って全部集めることはできません。子どものときの成績なんかもですね。しかし、将来的には、そうなってくると、恐らくできるようになる。だから、これから生まれてくる人たちは、まさに生涯にわたって、ずうっと番号によって人生を追跡されることになっていくだろうと、そう思います。

 ですから、例えば、年寄りになって寝たきりになってしまった時に、その原因はこれだと特定される可能性が出て来ます。それが本当の原因かどうかはわかりませんが、高校生のときにシンナーを吸っていたからこうなったのだと決めつけられる、自業自得だと、そういうことなのです。
 まあ、シンナーまで行かなくても、例えば、深酒を毎晩していたり、食生活に問題があって、健保組合などから生活改善するように指導を受けていた。しかし、指導に従わなかった。もちろんこういうことも番号に関連づけて記録されるでしょう。そして、年寄りになって色々と身体の不調が出て来た。その時に、若いときの記録を引っ張り出して、自業自得だと。「おまえ、若い時、こんなことしてたやないか」「あんたに手厚い保護なんてもったいない」と、そういうことになっていく、それがトレースなのです。ずうっと追跡していくわけです。例え氏名や性別を変えようと、番号は不変であり、追跡からは逃れることはできないのです。

→ 2 プロファイリングのシステム

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